先日は被災地への寄付金を就学支援目的とした理由をお伝えしましたが、
http://aizurv.hamazo.tv/e2893680.html
今の学生支援機構が、日本育英会だった頃のお話です。

私が大学に進学する頃の実家の家計は、どうやら大変なようでした。
私のオヤジは、下働きする代わりに下宿させてもらいながら
旧制中学（今の高校）に通った人なので、
「俺だって、バイトをしまくって・・・」の気概だったのですが、
育英会に奨学金を申請をすることにしました。
周りの同級生には、あえて夜間部を選択したり、新聞配達奨学生で
進学する奴も居て、親からの仕送りもアテにしている私なんぞ、
どーってことない甘ちゃんでございます。
　特別奨学金は、一般奨学金の倍額（昭和５１年当時、月額２６０００円）を借りることが
できて、しかも、ちゃんと返納していけば、半分は返納を免除してもらえる、
ありがたい奨学金です。特別奨学金の受給条件は、経済的にフツーよりも大変な状況にあり、
なおかつ成績が　ソコソコ良くなくてはなりません。
経済的条件はクリアでしたが、三流私立がやっとの私には成績が足りません。
担任の先生に相談したところ、▲マークが何年にも渡って付いている
所得証明を見ながら（▲がマイナスを意味することをその時初めて知りました）
「おまえんち、どうやって食ってんだ？兄貴も私大生だし、大変だなぁ。
よっしゃ　俺に任せとけっ」と言ってくれました。結果、２学期の成績は
１学期よりもリッパなものとなり、めでたく特別奨学金の受給資格を得ることができました。
　その後、ある先生から「奨学生で大学行くなら、バイクばっか乗り回してねぇで、
絶対に現役合格しろよ！」と　ハッパかけられました。（浪人すると受給資格は消えてしまいます・・・）
このセンセからは、使わなくなったバイクを、ゼッタイに事故らないことを条件に、タダで譲ってもらってました。
「なんで科目担当でもない先生が知ってるんだ？」と　その時は思いました。
私の１学期の成績を上げて、受給でき得る２学期の成績にするには　少なくとも
３教科にわたって上げる必要がありました。相対評価でもあるので、
私の成績を上げるには　誰かの成績を落とさざるを得ません。
　同じクラスの生徒内だけで　やりくりできるものではないようで、どうやら担任の先生は
少なくとも５人以上の先生方にお願いしてくれたハズだと判りました。
「なぁに、２学期だけ借りて、３学期に返しゃいいだけのことだ」と
軽く言っていた先生の、ボウズ頭を下げて回っているところが浮かびました。
とある記念写真のときには、センセのボウズ頭をいじくり回して　ごめんなさい。　
センセのボウズ頭をナメ回したいくらいの気持だったです・・・



センセ達がしてくれたことは、かわいい生徒の為とは言え、
「成績改ざん、私文書偽造」行為です。
他にもお世話になった生徒がいたことでしょう。
今では、大学推薦合格や就職内定の為の成績改ざんが
発覚した教諭が処分されたり、新聞沙汰になったりします。
３５年前の紀南地方は　おおらかでした。
そして、先生方には気骨がありました。

なんとか、都内の私大に現役合格して、特別奨学金のおかげで
体育会の部活にも入って、無事？卒業することが出来ました。
あの時は、ラガーマンのセンセと２人で、日本育英会をダマくらかして
特別奨学金をせしめてしまったけど、
今では　ちゃんと借りた以上のモンを返してるので、安心して成仏してね。

なお、２学期の成績が「あれっ？」だった同級生の皆さん。
５が４になったところで　どーってことない　優秀な成績だった皆さん、
それはセンセ達の気まぐれではなく、実は私のセイでした。
ごめんね。ありがと。

奨学金にまつわる　深イイ思い出でした。